想い
石原果樹園ののぼりと看板
石原果樹園の紹介
いつも当園をご愛顧いただきまして、誠にありがとうございます。石原果樹園の石原直樹と申します。当園は果樹栽培、僕で五代目になります。170年ぐらい続いている果樹園です。岡山でも一番古いぐらいの果物農家かもしれません。
現在、ぶどうと梨を栽培しています。お米も少し育ててます。1999年に直売所をオープンしまして、果物狩りも始めました。2001年に直売所15周年を迎えました。
現在はブドウを20品種、梨は7品種ほど栽培しています。ブドウは、ほぼ全て自販しております。梨も直販・梨狩りをしておりますが年末、お歳暮シーズンの『あたご梨・ヤーリー』は岡山の百貨店でのカタログ販売、市場への出荷がメインです。12月は毎週末、各地で梨の試食販売もしています。
ブドウのシーズンは直接お客様と出会い多くの笑顔を頂いて、ご意見を聞き年末の梨は市場へも出荷して世間の流れも感じさせていただいています。
石原果樹園直売所
直売所オープン
僕が就農して20年。この20年間も、それ以前も、生易しいものではありませんでした。
僕が子どもの頃は果物は我が家で選果して全て市場へ出荷していました。夜中に父と一緒に軽トラでデラウェアーをしこたま運び、帰りは軽トラの荷台に大の字に寝て僕は夜空を見上げながら帰ってました。
デラウェアー・あたご梨・ヤーリー梨、ありがたい事に、常に最高の価格を頂いてきました。両親、ご先祖様、多くの皆様の細かな努力。ここまでの全ての努力に、感謝するしかありません。
父は毎日夜中まで働いて、僕はよく「お父ちゃんフクロウじゃ~」と言っていました。父は面白い発想の持ち主です。農家のおっさん全開の父のファンも多いです。現在の石原果樹園に繋がる道路も父が若い時に、多くの地元の皆さんの協力を得て上京して、政治家にお願いして誘致しました。
そして1999年に完成しました。同時に直売所をオープンしました。よく父は「わしは三代分働いた」と言います。全くその通りです。それ以上かもしれません。
そして厳しく、優しい母に育てられました。働きの者の素晴らしい母がいるからこそ今の石原果樹園があります。自慢の両親です。その背中を見て、僕はずっと育ってきました。今でも、すごく働き者です。とても尊敬しています。
直売所から下った坂道
恵まれた土地
晴れの国岡山の吉井川水系。日照時間の長さ、豊富な水、全面南向きの果樹園、赤土、そして乳酸菌栽培。石原果樹園の果物は多くのご支持をいただいています。ここ西大寺は日本で一番農業環境に恵まれている土地かもしれません。そしてもちろん果物栽培はとても難しいです。ウェブでは説明出来ないほど作業が色々あります。尊い命を日々感じています。
お客様と顔を合わせない緑の無い冬があって、少しずつ暖かくなって、やっと春がやってきます。自分の仕事で四季を感じられるってホントありがたいです。
備前乙女米の田んぼ道
支えてくれるお客様とスタッフ
果物シーズンの皆さんの笑顔があるからこそ冬も楽しく、ちょっと辛抱して、やってけるんです。農業って1人で出来ないんです。1人でやっちゃいけないんです。助け合わなくちゃ、ならないんです。
「ここで働きたいんです」とてもとてもありがたい事を言ってくれる若い子たちがいっぱいいます。農業を好きでいてくれるみんな。夜中まで、笑顔で練習してくれるみんな。泣いて練習してくれるみんな。素晴らしい姿勢を見せてくれるみんな。彼らあっての果樹園なんです。彼らが心の支えなんです。
摘粒作業中の様子
「果物王国岡山」
そして岡山果物農家諸先輩皆さんの技術力は、恐ろしい程に高いです。間違いなく、ブドウ栽培、桃栽培に関しては世界一です。僕は大先輩に食らいつきます。皆さん快く、全て教えて下さいます。常に勉強させていただいています。
完璧なぶどうは一房たりとも絶対作れない。果物栽培は難しいから追及しがいがあるからとても楽しい。農業仲間、みんなそう言います。
石原果樹園は『果物王国岡山』の宣伝担当だと、勝手に思っています。積極的にメディアさんの取材も受けます。「果物王国☆岡山」健在っぷり!
農業ってメッチャいいんだぜ!多くの方に知って頂くチャンスです。広い繋がりが出来てとてもとてもありがたい事です。毎年、同じ失敗の繰り返しですが…
梱包作業中の様子
果物狩りも出来る、贈答・出荷・
直売がメインの果樹園
現在はインターネットなどを活用してメディアさんにも注目して頂いて派手派手しい感じになったりもしますが、
石原果樹園は「果物狩りも出来る、贈答・出荷・直売がメインの果樹園」です。
果物狩りをやっている手前、観光農園と呼ばれたり、名乗ったりしますが、今までの歴史をありがたく考えますとこの立場だけは崩したくありません。とにかく丁寧に梱包、発送。中規模の果樹園だから出来る事かもしれません。我が家の果物だけを販売していますし加工品のお土産やお食事などは取り扱っていません。果物狩りをやってはいますが、観光農園ではありません。
みんなの普通の果樹園です。大きくすると気持ちが届かないような気がしてあまり大規模にもしたくないんです。
ぶどう狩りの様子
お客様のご協力あっての果物狩り
僕たちは、果物狩りもとても大切にしています。「今週末は石原果樹園へ果物狩りに行くんだ!」その想いを持って日々、がんばっている皆様。そして日本を支えてきていただいた、おじいちゃん、おばあちゃん。生まれてくる子どもたち。日々、一生懸命働いたお金で遠くから多くの交通費を払って、貴重なお時間を割いてわざわざ石原果樹園へお越し頂く。多くの皆さんの歴史、暖かい色々な想いを考えますと簡単に接客する事は許されません。長い年月をかけて、せっかく生まれてきてくれた果物に対しても失礼です。人として、僕たちの気持ちが許しません。
「丁寧。のんびり。かつetc..」で、接客するよう、心がけています。若いスタッフのみんなに求める事はとても多いです。
お客様のご協力あっての果物狩りです。
多くの皆様の素晴らしい姿、メッセージに支えられてきました。石原果樹園はどうあるべきか、全て皆様に教えていただいた事です。僕たちだけで見出した事はひとつもありません。忙しい時はとても忙しいですし長時間お待たせする事。電話に出れない事。メールも返信出来ない事。お客様にご迷惑をおかけする事も多々あります。まだまだ僕たちも未熟です。家族と最小限のスタッフでやっています。日々勉強させていただいております。
梨の収穫作業の様子
石原果樹園の誇り
僕たちは、強いプライドを持っています。でもそれは人の為に生きて出来た人に生かされて出来たプライドなんです。自分たちに実力があるからじゃありません。素晴らしい仲間がいっぱいいてくれるからこその自信なんです。
食に携わるの方々の知人もとても多いです。視察も度々いらっしゃいます。僕たちも多くの方々に、助けてきていただいたんです。
プロポスタさんのアンビリーバボーな one dish 。石原果樹園のブドウで、サプライズで作っていただきました。感動過ぎです。この一皿に多くの人が関わっています。食べ物はとても神聖なものです。全て農業です。
日本農業の年間売上8兆2000億円。従業員1億2700万人。この世で農業に直接関わっていない人はいません。
農業がなきゃ水がなきゃ何も始まらないんです。どの職業もみんな支えあって生きてます。みんな人の為に生きてます。
僕はとてもとても素晴らしい多くの仲間に恵まれています。何よりも自分の仲間が大きな誇りです。いい仲間がいるから真っすぐ、進んでいけます。
岡山農大時代バイト先で大声出して接客して多くの農産物と触れ合って日本一のくぼ観光農園さんで農業の素晴らしさ、楽しさ、奥深さを教えていただき和歌山のみかん農家、大先輩の栗本さんと同じ屋根の下でお世話になって卒業しました。
直売所からの景色
アメリカでの経験
2年間、アメリカの超大規模の農場で働いてきた経験があります。リンゴ、チェリーにまみれ泥にまみれ、メキシカンにまみれ英語、スペイン語、タコスにまみれて。昼間も夜も働いて大家族と触れ合ってきました。アメリカの学校も(いちお~)卒業しています。
「俺はイチローや松井がアメリカへ行く前から、メジャーに挑戦して彼らの何百倍も広いフィールドで、彼らよりもメッチャ安い給料で働いてきた」今でも悩む度に、自分にそう言い聞かせます。ボスに容赦なく、何度も死ぬほど怒られた事。今ではとても感謝しています。今だからこそ意味が分かります。
チルドレンファースト、レディーファースト、お年寄りファーストも少しは心得ています。日本語のクラスに飛び込んで日本語の難しさも痛感しました。多くの素晴らしい方々にチャンスをいただき、多くの習慣の違い、思想の違いを感じてきました。日本の25倍の広さで戦ってきた経験と自信が少しはあります。
そして「働くだけならメキシカンでも出来る!俺たちは日本人研修生だ!家族とも触れ合うんだ!」熊本の強く、優しい、ケンタロー。絆、家族を大切にする彼と過ごせたからこそある、素晴らしいアメリカンライフ。全ての出会いに感謝しています。
今でもしょっちゅうアメリカの恩人・友人に会いに行きます。カリフォルニアの大学で出会ったケーシー。普通の家庭で育った、慎ましく質素な大学生。自分がどんなに苦しい時でも人前では決して笑顔を絶やさない彼。日本人よりも日本人らしい謙虚さを持ったアメリカン。決しておごり高ぶらない努力家。多くの人に尊敬され、愛されている彼。彼ぐらい優しく広い人に、僕は出会った事がありません。家族を愛し、全ての人を大切にする。共に人生の苦労を味わった、大親友です。素晴らしい彼の人間性。どんなに辛い状況になっても、いい人にはいい人生が待っている。全て必然で起こっていく。そう思わせてくれます。
時は流れても、子どもたちは大きくなっても皆さんとてもとても温かく迎えて下さいます。そして深く、人生について、学ばせていただいています。
海外に行くからこそ日本の事、日本人の事が、より深く見えます。そしてアメリカへ行って、石原果樹園で働いて来たからこそ多くの出会い・チャンスを頂いています。広い国、広い心のアメリカが大好きです。それでもやっぱり岡山の片田舎の石原果樹園が大好きです。日本が好きです。
一部スタッフの集合写真
皆様へ感謝
勉強や仕事もとても重要ですが「感謝」「コミュニケーション」が重要だと思っています。
これが教育、日本の未来、命に繋がっていくと思っています。平和な日本。世界で一番信頼されている日本人。そして果物王国岡山。それは僕たちの努力ではありません。白黒の時代の皆さんのとてつもない努力あっての事です。今僕たちがここにいること。感謝するしかありません。
多くのお客様。お世話になっている方々。友人。仲間。皆さんと共に、のんびり楽しんで、よりよい日本の為、世界の為少しずつ進んで行けたらと思っています。
果物栽培を始めて170年。お客様と直接触れ合って18年。
多くの失敗、挫折、喜び、感動をいただいてきました。そして今があります。
想いがあって農業あって全てがあります。
お客様、スタッフ、仲間、みんな素晴らしい方ばかりです。強く感謝しています。